Tuesday 19 December 2017

『映画』Raid into Tibet(レイド・イントゥ・チベット)


Raid into Tibet(レイド・イントゥ・チベット)
  The Art Commission(短編映画特集)より・・・Painting with Light (International Festival of Films on Art)
公開年: 1966
製作国: イギリス
監督:  Adrian Cowell
見た場所: National Gallery Singapore


  この作品は、当時あったイギリスのTV会社ATVAssociated Television)の企画により製作された。チベット動乱そして1959年のダライ・ラマ14世亡命後の1964年、中国軍と戦うチベット人ゲリラを取材している。監督のAdrian Cowell、カメラマンのChris Menges(クリス・メンゲス)、ジャーナリストのGeorge Patterson(ジョージ・パターソン)は、ネパール中部、ヒマラヤの山々に囲まれたTsum Valley(ツム谷)へ向かう。隔絶されたこの土地には、チベット人ゲリラの分遣隊の拠点がある。彼らの許可を得た監督達は、行を共にしてヒマラヤの峠を巡る。ゲリラ達は、チベットからネパールへ抜ける街道を建設中の中国軍に対し、奇襲作戦を行っているのだ。チベット仏教の祈りに支えられながらチベット独立のために戦うゲリラ達を取材したこの作品は、資料的な価値の高いものだと思う。
 
 しかしそれだけではなく、壮大なヒマラヤ山脈を背景に、人の通わぬ道を歩んで行くゲリラ達を捉えた映像は、驚くほど美しい。モノクロの16mmプリントからレストアされているのだが、この美しさは単にレストア・バージョンだから、と言うにとどまらない。そういう意味でも心に残る作品だった。20171111日)

 

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